SS第一弾はジュドレイ。幼馴染マジ天使すぐる。こんなに萌えるNLは久しぶりだよ・・！
ぶっちゃけジュドレイもっと増えろ！と思って始めたブログです。

SS本文は続きをドゾー。

『ジュードへ
 
元気にしてる？　最近手紙くれないけど、忙しいのかな
研究熱心なのはいいけど、あんまり無理しないでね
 
そうそう、新聞みたよ
大型施設向け源霊匣の試作実験、成功したんだってね
あれってジュードも関わってるんだよね？　おめでとう！
早く実用化できるといいよね
 
源霊匣といえば、この前アルヴィンがル・ロンドに来たよ
バイカール廃坑で新型の増霊極に必要なレアメタルの鉱脈が見つかったって話したでしょ？あれの実地調査に立会いに来たんだって
でも次の仕事があるって、来て行って見てすぐ帰っちゃった
泊まっていって欲しかったな～忙しいなら仕方ないけどさ
 
 
あとね、私、プロポーズされたよ』
 
 
 
そこまで書いて、レイアの手が止まった。便箋を乱暴に丸めて、部屋の隅へと放り投げた。
「…ストライク」
呟いてから、レイアは小さくため息をついた。机の上にはケースに入った指輪が置いてある。数刻前に押し付けられたものだ。熱烈なラブレターとともに。
もちろんレイアは断るつもりだった。彼女には思い人がいるのだから。けれど何故か、その場で断ることができなかった。戸惑い、言葉に詰まっている内に、相手の男は去ってしまった。
決して相手の男に好意があったわけではない。男に告白されるのも初めてではないから、求愛に動揺してというわけでもない。
考えてしまったのだ。あれから５年、変化のない自分と彼との関係を。
 
そもそもジュードとはもう３年近く会っていない。最初の頃こそ、彼に会うためレイアは頻繁に上京していたが、多忙なジュードに遠慮してしまい、上京するのを止めてしまった。
手紙のやり取りは続いている（といってもレイアが出す回数の方が多い）が、数ヶ月前からぱったりと手紙が来なくなった。
忙しいのだろうと思う。ジュードはミラとの約束を果たすため努力している。その邪魔はしたくない。けれど。
「いつまで続くんだろ」
この現状維持の関係は。ジュードは頑張っている。私はどう頑張ればいいのだろう？そう考えてしまった瞬間、喉元まで出かかった断りの言葉が出なくなった。
 
泣きそうになる。それを堪えて、レイアは新しい便箋を取り出した。
「湿っぽいのは柄じゃない。とにかく、地道に手紙攻撃を…」
 
「レイア、いるか？」
ノックの音がして、ドアを開けると父がいた。
「何？」
「手紙だぞ、ジュードから」
「…ジュード？！」
父からそれをひったくると、レイアは部屋にこもった。ドアを勢い良く閉めすぎて、父がうわっと悲鳴をあげるが今は気にしない。
急ぎつつも丁寧に封筒を開け、中を読む。
まず最初に、返信が滞っていたことを詫びる言葉。研究の状況とそれが順調であるという報告。レイアや他の知り合いの近況に関するコメントとジュード自身の近況。
いつもと大差ない、ジュードらしい内容だった。最後の一文を除いては。
 
『教授の娘さんとお見合いするかもしれない』
 
思考が一瞬フリーズする。そして絶叫。
「はあああぁぁっっ！？」
 
 
ガタン、ドタン、ガタッ。
「随分と上が騒がしいわね」
「レイア、叫んでたな」
ロランド夫妻が２階の娘の部屋を見上げた。まだ騒音は続いている。そろそろ注意しなければ、ソニアの怒号が飛ぶかもしれない。そう思い、ウォーロックが２階へ向かおうとした時、荷物を抱えたレイアが階段を駆け下りてきた。
「こらレイア！静かになさい！」
 
「ごめんなさい！私、今からイル・ファンに行ってきます！」