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SS更新が滞っていてすみません(´ε`;)

今回はアルジュ(アル)です。
時間軸はラスト直前、リーゼ・マクシアとエレンピオスを行ったり来たりしてる頃。
掛け算というより足し算に近い感じを目指してみた。
でも書きあがってみたら思った以上にベーコンレタスだったかも。
どうでもいいですけど、RADWIMPSの『愛し』って曲がアルジュに聞こえて仕方がない!

以下、更新遅れ気味の言い訳ですので興味のない方はスルーして続きを読むをクリック!




更新さぼって何してたかって言うとですね、テイルズオブシンフォニアをやってたんですわ。
中古で売ってたんでね、買っちゃったんです。
それは別にいいんですけど何が問題だったかって言うと、プレイ時間がかかりすぎたんです。
エクシリアが1周40時間強やったんで、プラス10時間くらいでクリアできるかなー思ったら!
なんと72時間もかかってしまいまして!
まだ1周目ですよ?1周で72時間てアホか!
テイルズをまともにプレイしたのはエクシリアが初めてでフィールドを把握するのに困り。
ダンジョンマップないからダンジョンで同じトコ行ったり来たりして迷子になり。
パズルとか苦手やからダンジョンの仕掛けを解くのにも一苦労。
グッダグダですわ!(ヽ´ω`)グッタリ
サブイベもこなしてないのにコレとか、フルコンプにはどれだけ時間がかかるのか・・・
誰かskskプレイのコツを伝授してください。



トリグラフ・ロドマンション2階のある部屋にアルヴィンが入ると、ジュードがベッドに腰掛け何かを熱心に読んでいた。
「おかえり、アルヴィン」
「…ただいま」
部屋には2人の他に誰かいる様子はなく、外の工事の音がやけに大きく響いている。
「バランは仕事か。他の奴らは?」
「ミラは港のレストラン。特盛りクリームコロッケパフェ完食できたらお代タダに挑戦するって意気込んでた。ローエンは図書館へ行ったよ。エレンピオスの地理に興味あるんだって。レイアとエリーゼはエレンピオス風の服を見たいって買い物だよ」
そうジュードは目で文字を追いつつ答えた。ジュードが顔を上げたのはアルヴィンにおかえりと言った時だけ。
さて、どうしたものか。アルヴィンは立ったまま頭を掻いた。正直気まずい。後ろめたいことだらけのアルヴィンには、ジュードと密室で2人きりというのは居心地が悪かった。それはジュードも同じだろう。
仕方がない、まだ日は高いが外で一杯引っかけて来よう。そう思いアルヴィンが体を反転させかけた時だった。
「アルヴィン、今暇?暇なら僕に字を教えてくれないかな」
「…は?」
「源霊匣の資料をバランさんに借りたんだけど、まだこっちの文字には慣れなくて」
読んでいたファイルを軽く振って、ジュードは開いたそれをアルヴィンに見せた。ジュードはにこにこと笑っている。
「家庭教師の仕事だよ」
どうやらアルヴィンに拒否権はないらしい。
 
結局アルヴィンはジュードに付き合って、源霊匣ファイルの全ページに目を通した。専門用語だらけでアルヴィンは半分も内容を理解できなかったが、それでも単語や熟語などは拾えたのでジュードの助けにはなったようだった。
「ありがとうアルヴィン。わかりやすい説明だったよ」
礼を述べ、一息入れようとジュードは簡素なキッチンへ立った。薬缶に水を入れて火にかける。お茶請けには豆腐せんべいがあったはずだ。戸棚を漁るジュードの後ろでアルヴィンはソファーに長身を預け目頭を押さえた。細かい文字を追う作業とは最近ご無沙汰だった。
「ま、生徒の飲み込みが良かったからな」
時計を見ると1時間以上が経っていた。誰かが帰ってくる様子はない。
「…優等生、って言わないんだね」
ぽつりとジュードがこぼした。やや苦笑を帯びた声は小さいが、2人きりの部屋でははっきりとアルヴィンの耳に届いた。
「そう褒めて欲しかったか?」
うーん、と首をひねり、ジュードはカップを布巾で磨いた。カップの柄はバラバラで、家主の細かいことにこだわらない性格が見て取れた。可愛らしくデフォルメされた鹿と妙にリアルな馬の柄だった。趣味悪いなと従兄のセンスにアルヴィンがため息をつこうとしたところで、ジュードの一言がそれを飲み込ませた。
「アルヴィンさ、僕のことあんまり好きじゃなかったでしょ」
突然踏み込まれた言葉にアルヴィンは息を詰まらせた。キッチンに立つ後姿からはジュードの表情は読めない。どうしてとアルヴィンが問うより早くジュードが答えた。
「僕を優等生って呼ぶ人は、たいてい僕を良く思ってなかったから」
確かにそうだった。アルヴィンがジュードを優等生と呼ぶ時、その言葉には僅かばかりの皮肉が込められていた。アルヴィンはそれを特別隠しはしなかったし、少しばかり察しのいい者ならすぐに気付くくらいには明らかだった。故にジュードがそれを知っていても不思議はない。だが。
「何で、そんなこと」
それを言うのか。温厚で他人を慮るこの少年が、本人を目の前にして言うことではない。
アルヴィンの疑問には答えず、ジュードはせんべいを皿に移して残りを棚にしまった。彼は振り返らない。アルヴィンは発育途上の薄い背を見つめた。狭いキッチンに立つ彼は作業の手を止めることなく、言葉を止めることもなく続けた。
「でも最近は優等生って言わなくなったよね」
「…そうだな」
「それって、前より僕のこと好きになってくれたってことだよね」
「…っは!?」
今度は何を言い出すか。アルヴィンは素っ頓狂な声を上げ、目の前の少年にどう突っ込むべきか頭をフル回転させた。とりあえず茶を飲む前でよかった。口に含んでいたら確実に噴いていたところだった。
「違うの?」
ジュードはくるりとこちらを振り向いて、きょとんとした顔で、しかし僅かに不安を含んだ目でアルヴィンを見た。その目に上手く場を誤魔化す言葉が思いつかず、アルヴィンは視線を彷徨わせた。
「いや、まぁ…好きか嫌いかっつったら、好きだけど」
そう、よかった。安堵したように微笑み、皿をテーブルに置く少年は嬉しそうだった。いや、よくないだろ。せんべいをかじり、アルヴィンはジュードをジト目で見上げた。これは一体何の罰ゲームだ。
「僕はアルヴィン嫌いだけどね」
さらりと笑顔で次は爆弾が落とされた。せんべいを噴いてむせ込むアルヴィンにすかさずティッシュが差し出された。心配そうなジュードに、アルヴィンは大丈夫だとジェスチャーを送り口元を乱暴に拭い息を整えた。
本当に何の罰ゲームだ。半ば無理やり告白まがいの言葉を言わされたかと思えば、天使の笑顔で即フラれるなんて、今日は厄日か。
「…言うようになったな。嬉しいぜジュード君」
「うん、そうでしょ?」
平素を取り繕い皮肉交じりの言葉に返されたのはあっさりとした肯定だった。
柔らかい琥珀は茜色の射光を受けて深い黄金に染まっていた。目は口ほどに物を言うと幼い頃に父が言っていたことをアルヴィンは思い出して、左手で自身の両目を覆った。
 
本音で信頼関係を築くには努力が必要だ。アルヴィンは今までずっとその努力を怠ってきた。大事な本音は心の奥に隠して、裏切って、時に裏切られたこともあった。だから今も本音を語るのは少し怖い。きっとそんな彼の臆病は皆に見透かされている。その上で、手を差し伸べられている。仕方がないなと、僕から先に言うよと。
 
「…許してくれないと思ってた」
今、自分の声は震えていなかっただろうか。余裕ぶってニヒルな笑みでも浮かべたいと思うのに、アルヴィンは俯いたまま顔を上げられなかった。
「何言ってるの。まだ許してないよ僕は」
「えっ」
天国から地獄。歩み寄ったと思ったら突き飛ばされた。反射的に顔を上げ、当然だと言わんばかりのジュードにアルヴィンの気分は再下降し始めた。しかしその通りだから文句は言えない。相手に優しさを期待できるような立場に自分はない。百篇謝っても許されないかもしれない。いや、まだ数回しか謝ってないが。
「アルヴィンまた勘違い」
「…何」
「僕は、許してないとは言ったけど、許さないとは言ってないよ」
眉根を寄せ、アルヴィンは相手の感情を読もうと表情に目を凝らした。どういうことだ、今は許していないが、いつかは許すということだろうか。ジュードも視線をアルヴィンから離さない。真っ直ぐな瞳と真っ直ぐな言葉。
「だってアルヴィンは僕の恩人だから」
ジュードはアルヴィンの隣に腰を下ろした。数センチ下の旋毛を見下ろし、はてとアルヴィンは過去の己を振り返ってみる。
「俺、何かお前にしたっけ」
「したよ、助けてくれた」
 
ジュードは目を閉じて、懐かしいなと心の中で呟いた。昨日のことのように思い出す、最初の出会い。アルヴィンは利用するために近づいたのだろうけれど。
声をかけて、背中を押して、アルヴィンは動けなかったジュードを抱えて走った。抱えられて桟橋を跳んだ時、ジュードの心は恐怖で一杯だった。これから自分はどうなるのかと。でも本当は少し嬉しかった。眼下には見たことのない景色が広がっていたから。
ジュードははっきりと覚えている。あの時の大きな手の感触も、頬を切る風の冷たさも。けれどこの感情をジュードは音にはしない。伝えたらきっと、この大きな子どもは調子に乗るだろうから、今はこれだけを。
「アルヴィンがいなかったら僕はとっくに死んでたかもね」
ジュードはせんべいを取るついでにアルヴィンの様子を盗み見した。ああいやあれはと口をまごつかせる様が少し面白い。少し上からジュードを見る顔が心なしか赤いのは角度のせいということにしておこう。冬のエレンピオスは日の入りが早いから、窓からもう夕日が射している。
 
「アルヴィン、僕は君が嫌いだよ」
容赦ない本音の暴露に、アルヴィンの眉と唇はとうとう変な方向に曲がってしまった。男前が台無しだ。顔だけはいいのになあとジュードはせんべいを咀嚼して飲み込んだ。美味しい。
「でも、いつか好きになりたい」
きっと、顔以外にもいいところはあるよね。その余計な一言は口には出さずにおいた。
少しずつ知って、許して、それから好きになれればいい。大丈夫、それをするだけの未来が僕たちにはあるのだから。
 
薬缶がけたたましく暴れ出した。立ち上がって火を止め、ジュードはポットに湯を注ぎ直した。甘い香りが部屋に広がって鼻腔を刺激する。昨日ローエンが新茶だと嬉しそうに買っていたのをアルヴィンは思い出した。
 
「…んだよ、それ…」
どんな愛の告白より熱烈じゃないか。鼻の奥が疼くのはきっと甘い茶の香りのせいだ。手の平で顔を覆って、アルヴィンはああ畜生とうなり声を上げた。
ガキのくせにませやがって、自分ばかりが情けない。けれどどれだけ情けなくても見ていてくれるなら、手を離さないでくれるなら、俺はそれを強く握ろう。もう二度と落ちてしまわないように。お前がまた落ちてしまいそうになっても掬い上げられるように。
 
勢いよく部屋の扉が開いて、けたたましい笑い声が一気に流れ込んできた。ジュードとアルヴィンは同時に扉の方へ顔を向けて破顔した。
「ただいまです!」
「見てこれ、可愛いでしょー!」
「お土産を買ってきましたよ」
「焼きたてのピーチパイだ!今すぐ食べよう」
愛しい彼らのそばで、愛しい日々よ。心穏やかに迎えよう、さぁ。
「おかえり」
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