Dummy
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やっちまいました晶ちゃん女装ネタ。というわけでピンドラSSです。
最初は「こんなカッコ恥ずかしいよぉ」みたいな感じを狙ってたんですが、書き進むうちそれはねーなと思い今に至ります。
晶ちゃんあれで案外男の子っぽいからな~。
つまり何が言いたいかというと、晶ちゃんメンゴ(∀`*ゞ)テヘッという話です。
※今晩あたりTOXも更新予定。
最初は「こんなカッコ恥ずかしいよぉ」みたいな感じを狙ってたんですが、書き進むうちそれはねーなと思い今に至ります。
晶ちゃんあれで案外男の子っぽいからな~。
つまり何が言いたいかというと、晶ちゃんメンゴ(∀`*ゞ)テヘッという話です。
※今晩あたりTOXも更新予定。
天高く馬肥ゆる秋の休日、都立外苑西高等学校グラウンドの特設ステージ裏に高倉兄弟と彼らの悪友である山下が集まっていた。
本日は晴天、絶好の文化祭日和。青春の1ページを刻もうと多くの生徒が盛り上がる中で、彼ら3人の様子はそれぞれ異なっていた。冠葉は笑いを堪えようと端正な顔を歪め、山下は顔色を赤くしたり青くしたりと落ち着かない。が、彼らの内で最も異質なのは晶馬だろう。何が異質かというと、おおよそ文化祭を楽しんでいるとは思えない表情はもちろんのこと、彼の格好がである。
ここで話は遡ること数週間前。欠席が続き(荻野目苹果追跡のため)久方ぶりの登校となった朝、高倉兄弟は下駄箱の前で山下と鉢合わせた。3人で教室へ向かう道すがら、至る所に置かれた文化祭用の立て看板やらモニュメントを鑑賞しながら、話題は自然と文化祭の話になった。
「そうそう、ミス外苑西のクラス代表やっと決まったぜ。昨日のLHRでさ」
山下の言ったミス外苑西とはもちろんミスコンのことだ。ここで前提を説明しておくと、外苑西高は男子校、つまりミス外苑西とは女装コンテストということである。観客としては純粋に楽しいが、ネタとして割り切れない出場者にとってはかなり複雑のイベントだ。故にクラス代表になったというその勇者が誰なのかについては、兄弟も多いに興味があった。この時まではただの傍観者であったから。
しかし次の瞬間、傍観者は当事者へ急変することになる。
「晶馬君…いや、期待してるぜ晶子ちゃん!」
そして現在に至る。安物の手鏡に映るはゴシック調のメイド服を着た美少女、の格好をした男子高校生。頭にはふわゆるカールのウィッグにヘッドドレス、健康的なナチュラルメイクが大人しい顔立ちによく映えている。
「兄貴…いつまで笑ってんの」
「いや、何かもう…悪ぃツボった」
「山下キモい」
「言うな!今俺は必死に現実と闘ってるんだ!」
「なぁ晶馬、ご主人様って言ってみ?」
「俺の目の前にいるのは男…女装した男…男の娘…」
「ご奉仕しますご主人様―って」
「男の娘…それはそれでアリなのか…?」
完全に自分で楽しんでいる兄と新たな扉を開きそうな悪友を無視し、晶馬はコンテスト本番に向けて呼吸を整えた。人前に立つのは得意ではない。まして女装など、女顔がコンプレックスだというのに、クラスの奴らめ欠席裁判なんて卑怯な真似を。
思い出したらイライラしてきた、山下でも殴ろうかと晶馬が拳を握った時だった。
「冠ちゃん!晶ちゃん!」
「「陽毬!」」
最愛の妹が荻野目苹果と共にこちらに手を振って駆けて来た。天使の降臨に晶馬のささくれた心が癒されていく。だが今の彼に陽毬の笑顔は少々眩しすぎる。気付かれないよう晶馬は距離をとった。
「どうした?部外者は立ち入り禁止のはずだろ」
「うん、2人を探してたらね、多蕗先生が案内してくれたの」
「おー高倉の妹か、可愛いなー。っとこっちの彼女は?!高倉紹介しろ!」
現実を受け入れたらしい山下が女子2人に食いつき、この隙に晶馬はミスコン出場者の列に紛れようと試みた。本番前にこれ以上調子を乱されるのは嫌だ、ベストコンディションで臨みたい。最後に陽毬に会えてよかった、いざ出陣!
「それにしても晶ちゃん、可愛いねー!」
「まだ本番まで時間あるぞ晶馬」
「えっあれ晶馬君なの?!」
「荻野目さん、メアド交換しましょう!」
出陣ならず。陽毬にはこの姿を見られたくなかった!いやいずれは見られたのかもしれないけどよりよって今!穴があったら入りたい切実に。
「…あぁ、うん…」
「晶ちゃんスゴーイ。モデルさんみたいに綺麗で可愛いよ!」
「ありがと陽毬…」
陽毬が喜んでくれているのがせめてもの救いか。彼女の笑顔のためなら女装の一つや二つ。いやできれば違う形がよかったけど、見た目も兄の時に褒められたかったけど今は何も言うまい。
「晶馬、お前のクラスの出し物意外とウケてるってよ!」
「えっと、フィーリングカップルだっけ」
「よくウケたわね…」
「高倉弟がグランプリ取れば、俺らの組も総合で上位狙えるかもしれん!頼む弟!」
「男…いや、女を見せろよ晶子ちゃん」
「頑張れ晶ちゃん!」
「晶子!優勝したら俺と結婚してくれ!」
開演準備の号令がかかり、晶馬以外は観客ブースへ移動した。舞台袖から覗くと、客の入りは上々のようだった。冠葉たちの姿も見つけた。
グランプリなんて自分の柄ではない。けれど陽毬が見ているのだから頑張って狙ってみようか。それが女装コンテストという、男としては嬉しくないものでも。
「好き勝手言って…山下は後でやっぱり殴っとこう」
さぁショータイムの時間だ。あなたの愛ある一票を晶子ちゃんに!
ミスコンは観客の投票で勝負を争います。晶ちゃんならガチで優勝狙える。
ちなみに苹果ちゃんは晶子ちゃんを見て地味に凹んでます。こんな可愛い子が女の子のはずがない!(`・ω・´)
あと山下は正直すまんかった。
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